ダイワサイクルさん(ARTEMA)とホダカさん(Khodaabloom)の合同試乗会に行ってきました。ARTEMA(以下アルテマ)はSNSでも評判が良く「本当に良いの?良く言い過ぎじゃないの?」と思っていて、実際に機会があれば乗ってみたいと思っていました。Khodaabloomさんは、STRAUSSのカーボンディスクロードとアルミディスクロードの両方試乗させて頂きました。
パーツを変えてもあまり違いが分からない私ですが、アルテマ、ストラウスカーボンディスク、ストラウスアルミディスク、どれも個性を感じられて良い体験になりました。
アルテマってどんなロードバイク?
元プロロードレーサの辻善光さんとダイワサイクルさんがコラボレーションして作った、初心者向けだけど妥協することなくこだわり抜いて作ったロードバイク(クロスバイク)です。
本物をすべての方へ
走る楽しさで満たされるアルミレーシングバイク
ARTMAは初めてでも妥協したくないあなたのためのスポーツバイク。キレのあるハンドリングが生み出す「進む」感覚は、いつもの道をエキサイティングに変貌させる。 「楽しい」「気持ちいい」「もっと速く、もっと遠くへ」こんな気持ちに、こんな感情になれる自転車へ。(引用:ダイワサイクルオンラインショップ)
アルテマは、クロスバイクとロードバイクのふたとおりラインナップされていますが、恐らく、フレームはロードバイクをベースにして、開発されたのではないかと推測します。
インプレッション
SNSの評判どおり良いロードバイクでした。一文で表すと「可能な限りこだわり抜いて妥協なく作り上げたロードバイク」でした。
試乗バイク・・・フレームサイズ 520
ほぼ完成に近い試作バイクとのことでした。身長が176cmの私にはこのサイズが良さそうです。現在販売されているのは、フレームサイズ480(想定身長 162~172cm)です。
今回完成に近い状態での試乗用バイクとして、フレームサイズ 430(想定身長 152~162cm)、520(想定身長 167~177cm)が用意されていました。
特出して良いという点は無いけど悪い点も感じられない、どの点においても平均点の高い良いバイクだと感じました。乗っていて楽しいバイクです。ダイワサイクルさんの客層で考えると、通勤・通学にロードバイクを使おうと考えている人には最適だと思います。
そのままで乗るのが吉
パーツのアップグレードはサドルやホイールなどに留めて、タイヤやチェーンなどの消耗品を交換する時に良い物を試してみるのが良いと思います。個人的には、サドルもホイールも買わずにデフォルトのまま、サドル調整、ステム高調整などのポジション調整を楽しみながら、乗りつぶします。ロードバイクの楽しさを知ってもっと極めたいと感じたのであれば、思い切ってロードバイクを乗り換えるのが良いと思います。
シティサイクルやクロスバイクなどからロードバイクに初めて乗り換える方は、辻善光さんのXをフォローすると試乗会情報が分かるので、近場で試乗会が開かれていたら試乗してみるのが良いと思います。恥ずかしがらずに「ロードバイクに初めて乗る。」旨を伝えましょう。ロードバイクの通常ポジションは、サドルに座ったまま足が付きません。簡単に操作方法などを教えてくれると思います。
乗った瞬間に分かる良さ
私自身、今まで1台のアルミのロードバイク(リムブレーキ)を5年、15,000km以上、乗ってきました。少し走っただけでこのバイクの良さが分かりました。正確に表現すると、私が乗っているバイクとの違いを直ぐに感じることができました。
優しい突き上げ
乗り始めて直ぐに感じたのはこれでした。試走した道は比較的綺麗な道路でしたが、私のバイクだとガツンと突き上げてくるだろうなという所でも、突き上げを「いなしている」感じがしました。28Cのタイヤを履いているのがひとつの要因だと思います。
走った後、担当者さんと話を聞いた所、「購入するであろうターゲット層の人達が乗って楽しいと感じてもらえる様なバイクに仕上げた。」と言っていました。ジオメトリーなど辻さんとかなり検討されたようです。例えば、シートステーに使っているパイプは、単純な丸形状ではなく角丸四角形状、若しくは楕円形状の扁平パイプを使っています。丸形状に比べて垂直方向に対して板ばねの様な感じになるのだと思います。横剛性は扁平パイプの幅によって強度を保っている様に感じました。
安定した走行性能
サイクルコンピュータ(速度などが分かる機器)を付けていないので速度は分かりませんが、高速域でも気持ちよく走りますし、ダンシングの時に気持ち多めに左右に振っても変な捻じれやタワミを感じることなく安定しています。
走ったコースに坂はありましたが、ヒルクライムと言えるほど上っていないので、実際にヒルクライムしたらどんな感じになるかは良く分かりません。重量が10.7kg(ペダル無)なので、頑張り過ぎずにゆっくり上るのが良さそうです。
驚きの価格
物価上昇などによる価格上昇はロードバイクも同様で、有名ロードバイクメーカーのエントリーモデルを買おうとすると、20万円を超えてくるバイクも結構あります。そんな中、ここまで完成度の高いロードバイクが13万円台なのは凄いです。
溶接部
溶接の盛り具合が少し目立ちます。少し見た目に影響している様に感じます。上の写真は、ヘッドチューブ周りの写真ですが、この後にボトムブラケット周りの写真があります。複雑に溶接されていますが、とても綺麗に溶接されています。
ただアルミ溶接は、溶接の中でも難しい部類に入り、溶接が不十分だと剥がれてしまいます。見た目よりもしっかりと溶接されていることが重要です。溶接部が綺麗に見えるようにする方法はいくつかありますが、手間が掛かりコストアップにつながります。現状の溶接で、塗装がしっかりと載っていることや、価格帯などを考えたらこれで良いと思います。
重量
数字で見ると10.7kgと結構重い方に入りますが、乗っていてあまり重さは感じませんでした。一応、短い坂も走りましたが、こんなもんだろうという感想です。距離、時間ともに大して走ってないからかもしれません。
BADマークで表現していますが、「良いところだけ書くわけにはいかないので頑張って挙げた」という内容で、乗っていて気になることはありません。
良いタイヤ
試乗用バイクには、ミシュラン パワーカップという結構いいタイヤを使用していました。買って交換すれば良いだけの話ですが、完成車についているタイヤは、恐らくこれではないと思います。「折角の試乗だからちょっとでも楽しく、良く感じて貰いたい」という思いだったのかもしれません。
ボトムブラケット(BB)
クロスバイクやMTB等によく使われているタイプのボトムブラケットが使われていました。実際に、クロスバイクタイプもラインナップされているので、このタイプを採用していても違和感はありません。ハンドル周りを変えて、ロードバイクとクロスバイクの両方で販売するというのは、他のメーカーでもやっていることです。
ペダリング(試乗)をしていて違和感があった訳ではありません。むしろ、衝撃緩衝のわりにしっかり踏めるので、BB回りってどんな風になってるんだろうと思ってBBを見るまで、全く分からなかったくらい気になりませんでした。
ただ、現行のロードバイクでは見かけない気がするので、一応BAD項目に書きました。
見た目
ケーブル回りは、ハンドル周りからケーブルがハンドル内、フレーム内を通るフル内装、フレーム内を通るセミ内装が最近の主流です。空気抵抗低減を主目的にしていますが、見た目にも影響します。アルテマは、ダウンチューブ内装になっています。
乗ってしまえば、全く気になりませんが一応挙げさせてもらいました。人に指摘されて気になるポイントかもしれません。(記事を書きながら写真を見直していますが、あまり気になりませんね・・・。)
「思い」が形に
ダイワサイクルさんと言えば、ママチャリやアシスト自転車などのシティサイクルを主に取扱っているイメージがあります。シティサイクルだけでなく、クロスバイクやロードバイクのスポーツ自転車に興味を持って来店する人も結構いるようです。勿論、クロスバイクやロードバイクなどスポーツ自転車も取り扱っています。
わざわざダイワサイクルを選んてくれたお客様に対して、ダイワサイクルでないと提案できない製品を提供したいという思い。誰が乗ってもロードバイクと言える自転車で、かつ始めやすい価格のロードバイクがあれば、スポーツ自転車の裾野が広げられるのではないかと考えていた元プロロードレーサ―の辻善光氏の思い。このふたつの思いからアルテマは生まれたそうです。
既に、インプレッションに書いてある通り、これらの思いがしっかりと形になったロードバイクに仕上がっていました。
最後に、店舗に置いてあるか見に行ってみましたが、置いてありませんでした。今は公式オンラインショップでのみの販売で、オンラインショップを見てみるとネットで購入して店舗で受け取る形を取っているようです。店員さんに、メンテナンスなどの相談は店舗で対応してくれるか質問したら、「もちろんです。持ってきてください。」と言ってくれました。受取店と違う店に持って行く場合は、店舗によって異なるかもしれませんので、一応連絡してから持って行くと良いと思います。
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