ロードバイクの油圧ディスクブレーキについて解説します。ほとんどの新車がディスクブレーキで、上位モデルとなると、油圧ディスクブレーキになります。
油圧の特徴
メリット
油圧の特徴がいくつかありますので、挙げていきます。まずは、メリットになります。
小さな力で大きな制動力
小さな力を、大きな力に変換することができます。物理学でいうと、パスカルの原理です。
圧力=力1/面積1=力2/面積2
となります。絵で説明します。
例えば、40kgの男の子が、4,000kgの象とバランスよく維持することができます。ポイントは、面積です。男の子の面積を10㎥とすると、象側の面積を1,000㎥にすると、バランスを取ることができます。
小さな力(男の子)で、大きな象を支えることができます。
ロードバイクで考える
ロードバイクで考えると、男の子の側がブレーキレバー、象側がディスクブレーキになります。構造を簡単な絵で描くと、下のようになります。
ブレーキレバーのピストンの面積よりも、ブレーキ本体側の面積を大きくすることで、小さな力でも大きな制動力を生み出すことができます。
これが、油圧ディスクブレーキの一番の特徴です。
カーボンホイールの熱変形
カーボンホイールは、熱に弱いです。最新のものは対策されていますが、リムブレーキのカーボンホイールの場合、ブレーキを掛けたときの摩擦熱で、カーボンが変形する危険性があります。一方、ディスクブレーキの場合は、ブレーキの熱源がハブ側にあるので、摩擦熱でカーボンが変形する心配がありません。
デメリット
次は、デメリットです。デメリット以上にメリットの方が大きいので、採用されているのだと思われます。
タイヤロック
強すぎる制動力の為に、タイヤがロックすることがあります。ダウンヒルのカーブなどでロックするととても危険です。後輪ロックは技術のある人であれば、回避・復帰することも可能ですが、前輪ロックは後輪ロックよりも、更に技術が必要です。
自動車やバイクなども、油圧ディスクブレーキが採用されています。ロックを回避する機能(ABS)を装備しています。
重量
リムブレーキ機構よりも、重量があります。
メンテナンス性
慣れてしまえば、気にならなくなると思いますが、メンテナンス性が悪いです。油の取り扱い、エア抜きなど、追加で覚えなければならないことがあります。
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