大袈裟すぎる表現になってしまいますが、いい意味での衝撃でした。
まずは、初めて開催されたレースの感想から。
感想
2021年3月27日に、JCL主催の初レースが、YouTubeで生配信されました。JCL発足のニュースを聞いてからと、実際の中継を見てみての感想を書いていきたいと思います。
JCL発足を知って
2020年11月にサイクル系情報媒体で「JCL発足」のニュースを読んで、まず感じたのは、、、
- 分裂するってこと?
- ロードレース界が弱体化するのでは?
- 2団体の関係性はどうなるの?
でした。
分裂? バスケットリーグみたい
かつて、日本バスケットのリーグが対立し、2団体に分裂したのを思い出しました。結局、オリンピックに出場できないかもしれないという危機が決め手になって、2団体は統合することになります。
完全な対立的分裂で、ニュースなどの報道を見る限り、選手、ファンにとって、何ひとついいことはなかった分裂だったと感じました。今のBリーグが答えなのは、間違いがありません。
同じことが、自転車ロードレース界でも起こるのではないかと感じました。
弱体化
日本ロードレースの歴史はそれなりにあるものの、決して成熟(世界に肩を並べる)レベルではないと思います。そんな状態で、今回の分裂が対立的な分裂であれば、日本のロードレースは弱体化するのではと考えてしまします。
関係性は?
日本自転車競技連盟(JCF)がトップにあって、下部にJBCF、JCLが、同位置にあるのでしょうか?それぞれの競技団体の関係性が分かりにくいです。はっきりと示して欲しいです。対立的な分裂であれば、それは、改悪であると言いえると思います。
JCLの配信を見て
・高クオリティーに驚き
・分裂は必然だったのかも
・JBCFで、できなかったのは残念
高クオリティー配信
2021年3月にJCLの初レースが、YouTubeで生中継されました。同じ日にJBCFのレースもYouTubeで生中継していました。
3シーズン目の2023年より、レースは有料配信になりました。
運にも恵まれながら具現化
JCLの中継は、想像を超えるできでした。レース展開が面白かったこともありますが、中継が切れない事、演出、実況、カメラ割り、解説等、画面に映る全てが、良かったです。ドローンカメラなども駆使されていて、これを無料でみれるって凄い!こんな演出ができるんだと驚かされました。
JCLは良いスポンサーを獲得し、良い放送媒体を手にすることができたのだと感じました。
短期間で、これだけ高いクオリティーのレースを開催できたということは、妥協を許さず、相当苦労されたのだろうと、容易に想像できました。画面越しに新リーグ設立の熱意・情熱を感じることができました。
発足した目的を、このレースで表現することができたと感じられました。
実業団チームと地域チーム
実業団チームと地域チームの存在意義が微妙に異なり、上手く融合できなかったのではないかと感じます。
JCLに参加している大半は地域チームです。コンセプト的に地域チームがJCLに参加するのは自然の流れだったのでしょう。
「実業団主体のJBCFではできなかったことをしたい。」という思いが、初レースで感じることができました。
JBCFはJCLのようにビックスポンサーを獲得することは難しいのでしょうか?企業のしがらみとかあるのでしょうか?実業団スポーツは参加・関係する企業で作り上げているのものなのでしょうか?選手のプロ化について反対の意があるのでしょうか?
いいとこどりができていれば
2020年のままのJプロツアー体制で、JCLのような表現ができていればと残念でなりません。
今後の課題
JCLのレースを評価しましたが、当然ながら課題はあると思います。それは、JCL、JBCFに共通している課題と、それぞれが抱えている課題があると考えています。
以下の点に注目して、今後の展開を見守っていきたいと思います。
共通する課題
・レースの迫力低下
・団体間の移籍
迫力低下
今までひとつのレースで展開していたものが、2つのレースに分かれました。どちらもチーム数が減っていますので迫力の低下は否めません。現段階では、Jプロツアーの方が、迫力があったように、感じました。
今後、迫力不足をどう補填するかについては課題だと思います。
(追記)
この記事を書いた後に、実際にレースを見に行きました。速さに関しては凄いと感じられましたが、想像どおり、数・量的な迫力が掛けていました。迫力は、ロードレースの魅力のひとつですので、改善されることを願います。
スムーズな移籍
チームの交流が気になります。移籍がスムーズに行われることを切に願ってやみません。
アマライダーが、チームに所属する時の選択が、将来まで限られてしまうのはとても酷なことです。人材が育ちません。配慮して欲しいです。
(追記)
JCBF内、JCL内での移籍が多いようです。観戦歴が短いので、もともとJプロツアーしかなかったときでも、企業チーム内、地域チーム内での移籍だったのかもしれません。
現状、JCBFとJCLのレースの開催日が近いので、他団体の状況把握するほど、余裕がないのかもしれません。
Jプロツアー
レース観戦初心者です。偉そうなことを書いてきましたが、私はレース観戦初心者です。レースを生で見たことがありません。ライドについてもヘッポコです。でも、私みたいなものが殆どだと思います。
レース観戦初心者が、YouTubeでの無料配信をみて、面白いと感じることがあれば、現地で観たいという流れになると思います。JAPAN CAP、さいたまクリテリウムなどは、いつかは生観戦したいと思っています。
・中継体制の改善
・不況に陥った時のチーム解体による魅力の低下・選手流出
・JCL成功によるイメージの低下
フリーズするのはもったいない
はじめに言っておきたいのは、生配信が無料で観れること自体凄いことです。ただ、映像が途切れると、面白くないと感じてしまいます。
動画配信で観戦している人の一部は、チームを応援しているわけではなく、レース全体を楽しんでいます。もっと言えば、偶然ロードレースを見ているだけかもしれません。こういった人たちにとって、フリーズすることでレース展開がわからないのは、致命的です。折角のファン獲得の機会を逃してしまっていると思います。玄人であれば、復旧したレース状態をみれば、フリーズしていた間に何が起きたのか想像できるかもしれませんが、素人には全くわかりません。レースのポイントを見逃しただけになります。
実業団
実業団チームは、母体企業の宣伝役であり、チームを介して企業として地域貢献を行っている面が大きいと思います。母体企業の業績が振るわなければ規模の縮小、休止、廃止される可能性が秘めています。不況下ではどちらも同じく大変ですが、母体企業の決定には逆らえない実業団チームと、なんとか継続しようと、あの手この手を使って頑張る地域プロチームとでは、イメージに違いが出ると思います。
勝手な印象
実情は分かりませんが、JCLとは喧嘩別れしたという勝手なイメージを持っている人にとっては、Jプロツアーの運営に不満がある可能性があります。JCLが成功すれば、JBCFは、JCLがやろうと言った時に、なぜ一緒にやらなかったのか、と言う目で見られかねません。
JBCFで、運営方法について提案していたが、生かされることがなかったという話も耳にします。
JCL
・継続して支援してもらう為の魅力の提供
・スポンサーを失った時のチーム・選手の待遇悪化
・下位リーグの構成
・JCLとしてのファン獲得
持続ある開催
初開催は、大成功だった言えると思います。これを継続させるにはスポンサーからの持続的な支援が必須です。
ファン獲得と同時に、スポンサーが継続して支援しようと思うような魅力あるものを提供する必要があります。もしくは、新しいスポンサーの獲得にまい進しなければなりません。
資金の問題は、世界トッププロレース・チームでも慢性的かつ解決困難なものです。
新たなファン獲得
今のJCLのファンは、参加チームについているファンが殆どと言っていいと思います。レースやイベントを通して、自転車ロードレースの魅力を発信し、新たなファン獲得ができるかどうかがとても重要だと思います。
宇都宮清原クリテリウムは、ゲーム展開はコンパクトでわかり易かったです。その反面、スタートからいきなりクライマックスと言った感じで、ロードレース特有の集団レースという面での魅力は欠けていた様に感じました。
また、レース日程が7月までの3地域(計7レース)しか示されていないのも気になります。
ロードレース界が良くなって欲しい
様々なことがあっての、今回の2団体化になったと言うのは、ある程度、理解していますが、個人的にはJプロツアーの良いところ、JCLの良いところどりをして、ひとつのレースが開催れることを願ってやみません。
せめて、交流レースを観てみたいです。ツアーオブジャパン(TOJ)が、その位置付けになってくれそうです。
互いを尊重し切磋琢磨し、自転車ロードレース界全体が成長することを願ってやみません。
2021年シーズンが終わって
2021年11月追記
JCLの第1年目のシーズンが終わりました。色々と問題もありましたが、大きな事故無く終えられたのは、よかったのではないでしょうか。
迫力不足
あるタイミングをきっかけに、配信を熱心に見ることがなくなりました。
それは「東京2020ロードレース」です。画面に映ったのは、走ったことのある、見たことのある場所を、世界で活躍している選手が、国の代表として本気で走っていました。更に、レースの大きさから、勝つ!という気迫と熱意を感じました。ロードレース女子も、早さの迫力はないにしても、勝つ!という気迫は画面越しであっても、感じることができました。
と同時に、JCLの迫力不足を感じてしまいました。それ以来、見逃さないように絶対見なければ、から、タイミングがあったら見よう。に変化していました。シーズン全体の展開としては、結構面白かったと思います。
運営力とパワーバランス
「運営力が圧倒的に足りていない」という問題が、レース中に露呈してしまいました。やらなければならないことに対してのマンパワー不足と、イレギュラー発生時の対応能力が問われるシーンがありました。
JCL運営本部とチーム関係者の距離感が近いが故の、アンバランスさも感じました。よく言えば、みんなでレースを作っている。恐らく、JCLの運営方針のひとつでもあると思われます。でも、悪く言えばチーム任せ。にも感じました。
JCLロードレースツアー公式YouTubeチャンネルでシーズンを振り返っています。こういった動画は、なかなかないので見ていて面白いです。
ここは、初めの1本を上げていますが、複数本あがっています。(山口ながとクリテリウムの件についても触れられています。)
来期に期待
「東京2020」ほどのメンツ、コースを日本で走ることは、私が生きているうちに、あと1回あるかないかでしょうから、JCLにはぜひ頑張ってほしいです。コンセプトは間違っていないでしょうし、レース展開も楽しいです。
来期に期待です。
話は変わります
別府選手が、次のステージに移られました。来シーズン、1シーズンでもいいので、日本で走ってくれたらうれしかったな。なんて、思う今日この頃です。
遅かれ早かれ、新城選手にも同じような状況が訪れます。
おふたりは、長期間世界で戦ってこられた稀有な存在です。日本ロードレース界の発展の為に、日本で走っている姿をできるだけ多くみたいものです。
2022年 日本の自転車ロードレースがまた変わる
2021年に変わったばかりですが、2023年、更に変わります。展開が早いです。
2021年 日本の自転車ロードレースが変わる
最後に、JCL発足の経緯について、書いておきたいと思います。
個人で調べて記事にしています。記事の内容が間違っていたら申し訳ありません。連絡いただければ修正します。
2020年まで
一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)が主催するJプロツアーを頂点にして下部レースを構成しています。
プロレースと言われるものはJプロツアーの事を差していて、全プロチーム、全実業団チームがこの連盟に所属しJプロツアーに参加していました。
Jプロツアーは連盟名が示すように元々は実業団チームが所属しレースしていたのだと思われます。
そんな中に「宇都宮ブリッツェン」や「那須ブラーゼン」等の地域プロチームが発足しだしました。
実業団チームに加えて地域プロチームがJプロツアーに参加するようになって、Jプロツアーが成り立っていたのだと思います。
2021年から
Jプロツアーに参加していた一部のチームが、Jプロツアーから離脱して新たな自転車ロードレースに参加することになりました。
新しい競技団体名は、ジャパンサイクルリーグ(JCL)です。地域創生をキーワードにしています。
Jプロツアーから離脱し、JCLに参加するチームは地域プロチームが中心です。
どうやら、片山右京さんがJBCF理事長の時に構想していたプロリーグの様です。Jプロツアーを地域創生やプロへと昇華させる構想だった様で、発足するという話までまとまっていたが、最終的には無くなってしまったようです。
景気の問題や実業団チームとの折衝がうまく行かなかったと、勝手に想像してしまいます。
そのような経緯があって、JCLを発足したようです。
参加チーム
Jプロツアー
2020年から継続参加しているチーム
マトリックスパワータグ
愛三工業レーシングチーム
TEAM BRIDGESTONE Cycling
Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team
弱虫ペダル サイクリングチーム
eNShare Racing Team
シマノレーシング
イナーメ信濃山形
稲城FIETSクラスアクト
群馬グリフィンレーシングチーム
2021年から参加するチーム
EQADS
Team Eurasia-iRC TIRE
CIEL BLEU KANOYA
JCLに参加するチーム
2020年はJプロツアーに参加していたチーム
宇都宮ブリッツェン
那須ブラーゼン
さいたまディレーブ
チーム右京相模原
レバンテフジ静岡
ビクトワール広島
VC福岡
KINAN Cycling Team
新たに参加するチーム
スパークルおおいたレーシングチーム
最後まで、読んで頂きありがとうございました。
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